私たちのアプローチ
私たちは気候変動を環境問題、人権問題、ビジネス上の課題と捉えています。Gap Inc. 取締役会下のガバナンス&サステナビリティコミッティは、気候変動に関する会社の目標、方針、プログラムを検討し評価する責任を担っています。
また、Gap Inc. の目標と戦略を科学的に最善な手法、業界のベストプラクティスと一致させる倫理的責任も認識しています。私たちは2050年までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラル(二酸化炭素の実質排出量ゼロ)を達成するという長期的な目標を掲げています。当社の目標はパリ協定の科学的合意と核となるコミットメントに沿い、世界の気温上昇を摂氏1.5度未満に抑えるための取り組みを追求することです。また、スコープ1(自社施設からの直接排出)、スコープ2(購入製品やサービスの使用に伴う間接排出)、スコープ3(サプライチェーンの購入製品やサービスの使用に伴う排出)の科学的根拠に基づく当社の削減目標の承認も行った「科学的根拠に基づく排出量削減目標イニシアチブ(SBTi)」にも参加しています。
スコープ1と2の排出量への取り組み
Gap Inc. の戦略にはスコープ1および2のフットプリント削減を目指す、排出量削減および再生可能エネルギープロジェクトへの投資などがあります。
Gap Inc. の温室効果ガスの直接排出量(スコープ1および2)の約85%が小売店と配送センターから排出されており、これに特化した事業運営用エネルギープログラムを焦点としています。私たちはエネルギー効率の高いプログラムや店舗の改装に投資し、自社運営施設の温室効果ガスを削減しています。店舗のエネルギー管理システムの変革、よりエネルギー効率が高い空調設備への入れ替えなどがその例です。また、新設する建物を対象にしたプロトコルを定め、エネルギー効率向上のための改装プロジェクトの実施優先順位をつける全店舗の評価も行いました。
物流ネットワークの効率改善のため、2011年より当社はEPA(環境保護庁)のスマートウェイパートナーとして、よりクリーンな交通手段の利用に取り組んでいます。
電力購入契約(PPA)と建物への設備設置を含めた当社の再生可能エネルギープロジェクトは、2021年の当社のスコープ1および2のエネルギー消費量の37%を占めています。さらに、AthletaのFern Solar Farmプロジェクトはブランドが所有、運営するオフィスと店舗での再生可能エネルギー使用100%を達成しました。
スコープ3の排出量への取り組み
当社の気候変動への影響の大部分はスコープ3のサプライチェーンからの排出にあるため、戦略的サプライヤーと緊密に連携してエネルギー効率の向上、二酸化炭素削減戦略や目標の設定、科学的根拠に基づく独自の目標設定を支援する教育やリソースの提供などに取り組む各種プログラムを実施しています。そして排出量削減の最大の機会を理解し追求するため、製造施設からの確実なデータ収集、商品の環境負荷のモデル化、透明性の強化に注力しています。
当社の主要サプライヤーが拠点を置く市場で活動する業界団体とのパートナーシップは重要な役割を担ったアプローチです。2020年には Apparel Impact Institute(Aii)のカーボンリーダーシッププログラムに参加し、ベトナム国内の施設に対する屋上太陽光発電設備設置の実現機会を探っています。水に関する私たちの取り組みの多くは、地域のインフラや資源効率への投資を通じて、サプライヤー拠点の地域社会の気候レジリエンスの向上にも役立っています。
また、ブランドのコレクションに低炭素繊維をより多く取り入れ、スコープ3の排出量削減を意図した原材料転換の取り組みを優先しています。
社外に向けたコミットメント
Gap Inc. は業界団体とともに、政策立案者に志を高めるよう働きかけるアドボカシー活動をしています。当社の活動はすべて、野心的な目標、対外的コミットメント、強力なパートナーシップ、そして存在意義に焦点を当てた当社のブランドのリーダーシップによって推進されています。私たちの取り組みには北極海企業海運誓約、ファッション協定連合、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)、ファッション業界気候行動憲章、Ambition for 1.5 degrees(1.5度のためのビジネス・アンビション)などがあります。また、主要調達先国における洗練された気候変動政策に対するアドボカシー活動のためにもパートナー団体と活動しています。例えば、当社は他の20以上のブランドとともにベトナム政府に対し、再生可能エネルギーへのアクセスを容易にして拡大するよう求める呼びかけに署名しました。
業界全体における透明性を高めるため、当社のCDP気候変動質問書への回答には、当社の戦略とパフォーマンスに関する詳細な情報が記載されており、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)からの提案が取り入れられています。当社の年次気候データはこちらからご覧いただけます。