Gap Inc.

2020年6月17日

2020年6月17日(米国時間)Gap Inc. 全従業員に送られたメッセージです。


リーダーシップチームとして私たちはこの数週間、Gapの核となる価値に従って行動し「洋服を売る以上のことをする」ことを徹底してきました。いま善とされていることに甘んじないということです。

それは具体的な声に耳を傾けることから始まります。私たちと本音で語らう機会をもち、時に私たちが答えられないような質問を含め、厳しい質問を投げかけてくれたみなさんに感謝しています。チーム内で唯一の黒人メンバーとして感じた孤立感や周りに合わせなければならない時の気持ちを共有してくれたみなさん、あなたたちの声は聞こえています。あなたたちのことが見えています。私たちは変革します。黒人従業員を中心に、みなさんから包み隠さずに率直な意見を聞けたおかげで私たちはアライであることの意味をさらに深く理解することができました。黒人の命も大切である(Black Lives Matter)を信条とし、さらなる取り組みを進めていきます。

私たちはGap Inc. 全体で善を推進する力となり、数百年にわたり黒人やラテン系コミュニティを抑圧してきたシステムを解体することができます。そしてそれを始めていきます。本日、この取り組みの次のステップを発表します。以下の施策により組織的変革を促進し、私たちのチーム、カスタマー、そして次世代に対して共同体として強い一体感の文化を実現していきます。



透明性: 2013年以降、私たちは毎年グローバル従業員のジェンダー統計と全米の人種民族統計を発表してきました。本日から、従業員が自らの人種と民族をどう自認するか、ストアとHQのレベルを含めて追加情報を定期的に報告していきます。また年次レポートを拡張して単独のイクオリティ&ビロンギングレポートを作成し、私たちの取り組みの進捗を確認すると同時にアパレル業界の学びに貢献していきます。

すべての人を表明:企業として包括性をもつことは選択肢ではなく、業務をする上での義務です。Gap Inc. は世界でも最もアイコニックなブランドのいくつかを運営している企業で、世界全体で従業員の76%を女性が占め、アメリカでは従業員の56%が有色人種を自認していますが、すべてのレベル・部署において私たちがサービスを提供する様々なコミュニティをくまなく表明するためにはまだ課題があります。現在の従業員の多様性と米国人口における多様性との差を縮めるため、2025年までにUS HQオフィスのすべてのレベルで黒人とラテン系従業員の数を倍にしてカスタマーの現実を反映していきます。また商品制作とマーケット担当部署で重点的に実施することで私たちの商品をすべての人にすべての人と作り上げることを徹底していきます。さらに私たちがサービスを提供する地元コミュニティを反映したストアを運営するため、2025年までにアメリカのストアリーダー職の黒人従業員の数を倍増します。これが達成されたとしても、正しい雇用の実践だけでは不十分です。私たちは継続して従業員のエクスペリエンスのあらゆる点において共同体としての強い一体感の育成に献身していきます。

給与の人種的公平性:2014年に私たちは男女同一賃金を実践する企業として外部企業から認証され、Fortune 500に選ばれた最初の企業となりました。それ以来、ジェンダー別給与情報の年次レビューを行ってきました。 こうした伝統を踏まえ、私たちは昨年再び外部企業に依頼して、本社があるカリフォルニアに拠点を置く従業員の人種と民族ごとの給与情報を追加審査してもらいました。この独立した審査によりジェンダーと人種間において問題となる差は存在しないことが分かりました。そして今年からは外部企業に依頼してアメリカの従業員全体で人種ごとの給与情報を審査し、発覚した差をすべて修正していきます。



すべての人のためのものを、すべての人とともに:かつてないほど、消費者は何を身にまとうかで価値観を表明しています。デザインコンセプトをはじめ、マーケティング、オンラインおよびインストアのエクスペリエンスにいたるどれにおいても、インクルージョンは購買決定に欠かせない要素です。ファッション業界での変化を促すにあたっての私たちの責任とは、私たちが製造、販売する商品に対する視点の先に自分の存在があると誰もが感じられるようにすることだと信じています。その出発点が、カスタマー層の多様性を反映し、私たちが将来の新規カスタマーにリーチするよう助けてくれる意思決定者を置くことです。Gap Inc. のブランドはTrue Huesのようなイニシアチブを構築、発展させ、黒人そして多様な消費者に特に焦点を定めて専心的に取り組む商品インクルージョン戦略を考案していきます。黒人のデザイナーやアーティストを起用し2020年フォールとそれ以降のシーズンに発表するカプセルコレクションや、カラープラウドカウンシルのエンゲージメントをブランドによるインクルーシブな商品やマーケティングの制作に必要不可欠なステップとして正式な取り組みに定めることなどがその例です。

黒人の声を高める:クリエイティブやマーケティングで多様な意見を広めていく方法を慎重かつ意図的に追求していきます。具体的には、より多くの黒人およびラテン系の従業員やパートナーを起用したり、協業したりしていきます。

オンラインとストアのエクスペリエンス:私たちのブランドは少数派を支援しているのではありません。すべての人に開かれたブランドなのです。私たちのブランドの心が宿るストアでは、すべてのカスタマーとコミュニティに心からのサービスを届けるため、より大胆に存在感を示し行動を起こす方法を探し求め続けます。現在進行中の従業員やカスタマーの連帯意識に関する取り組みの一環として反レイシズム教育を行うことがその一例です。

市民関与:民主的プロセスに参加することは極めて重要な権利ですが、投票しない理由として最もよく挙げられる理由が「仕事や生活上必要な用事で忙しすぎる」というものです。従業員が投票と仕事のどちらかを選択するような状況にならずに済むよう、私たちは障害を取り除くことを約束します。期日前投票と郵送投票を推奨し、ストアリーダーはストア従業員と事前によく話し合ってシフトのスケジュール調整を行ったうえで最大3時間の有給休暇を付与し、HQのマネージャーは全従業員が投票日当日または期日前に投票に行けるようミーティングを一切行わない日を設けることを推奨します。また、2020年度国勢調査に回答することの重要性を広く訴え、投票者登録に関する情報を発信していきます。

業界へのアクセスと人材パイプライン:インターンシップや長年の取り組みであるThis Way Aheadプログラムを通じて、私たちのパイプラインプログラムにおける多様性を確保します。特に2021年までに黒人の人材を増やすよう意識的に取り組んでいきます。次世代のデザイナーを擁護し有色人種のデザイナーにファッション業界におけるキャリアへのアクセスを創出する一つの手段としてHarlem’s Fashion Rowとのパートナーシップを継続します。

ポリシーとアドボカシー:私たちのプラットフォームを活用して人種間の不平等を撲滅するための取り組みを支援し、影響力を行使していきます。人種差別や社会的不公正といったトピックに私たちのカスタマー、学校、コミュニティを巻き込むことを目指し、Open to AllNAACPEmbraceRaceなどのパートナーとの関係性を最適化します。

Gap Inc. は50年以上にわたりインクルージョンや平等を意思決定、優先事項、業務の遂行における指針としてきましたが、私たちの取り組みが終わることはありません。今この時代に私たちが掲げるコミットメントを確実に、一時の盛り上がりでなくムーブメントへと結び付けていかなければなりません。今が今後50年のシナリオを書くチャンスなのです。私たちも、これからの世代も誇りに思える未来を。  

今後もみなさんの考えを共有し、鋭い質問を投げかけてください。みなさん全員を頼りにしています。今後数週間以内にこのことについて話をする時間を設けます。また、今週金曜日の奴隷解放記念日の重要性を認め、私たちが全員で良い変化に向かうにあたり、みなさんや各チームがこの日を耳を傾け、学び、育て、行動を促進するために生かす方法について情報を共有したいと思います。力を合わせればもっとできることがあります。それを実行するのです。
 

Gap Inc. リーダーシップチーム 

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